伝統肉協会のご紹介

代表あいさつ

==============================
ファーストコンタクト──野生動物とのなれそめ
==============================

いまでこそ「シカの人」と呼ばれる私ですが、出身は北海道大学の農学部で、研究テーマは林業でした。一般に林業とは「植林、育成の成果として伐採し、木材を得る経済行為」なのですが、私の研究対象地は北海道の森の中でも最も豊かといわれる、阿寒湖周辺の天然の森林でした。天然林といっても自然に生えている森林、原生林ではなく、もともと荒地だったところを、人の手による施業で約100年かけて育てた森林です。そこでどのような施業を行った結果、豊かな森林ができ上がったのかを研究していました。

研究がまとまり、報告に行ったある冬のこと。当時、爆発的に増加したエゾシカによって、豊かな森林の木々は樹皮が剥がされ、その多くは枯れてしまっていました。人の手が100年かけて育て、豊かになった森は、増えすぎたエゾシカによって、ほんのひと冬で壊滅してしまったのです。

現在、日本全国で増えすぎた野生動物は農業被害や森林被害、環境破壊を引き起こしています。中山間地における農業被害は深刻で、被害額も拡大し、離農や離村までも招いています。東京の水源地である奥多摩地域の森林は、特に若木への食害が甚大で、水資源への影響が心配されています。尾瀬や富士山麓などにおいても、下層植生の大規模な被害が報告されています。

==============================
自然と人間の共生──その意味をどう捉えるか
==============================

日本において野生動物が増えた理由には諸説ありますが、この甚大な被害を防ぐためには、野生動物の生息数を人間がコントロールするしかないのだと、強く感じています。生息数をコントロールするためには、野生動物を捕獲し、それを活用することが最も効率的な施策です。もちろん都道府県、市町村や国もその後押しをしていますが、いまだ成功しているとはいえません。しかし日本の森林や農業を守るためには、野生動物を適切な数に維持管理する仕組みが必要なのです。

豊かな自然環境を守ること。またその一方で、農林業被害を抑えるために、増えすぎた野生動物の生息数をコントロールすること。そして、コントロールの対象となる野生動物を、有効な自然資源と考え利用すること。これこそが、本当の意味での「自然と人間の共生」ではないかと考えています。

==============================
特定非営利活動法人 伝統肉協会──その担うべき役割
==============================

野生動物の利用についてはネガティブな印象を持つ人もいて、これまでにも批判されることがありました。しかしいま、日本の山や田畑で起こっている問題と、その原因を考えるにあたって、日本の歴史の中ではずっと野生動物の利用があり、そのうえで私たち日本人が命を永らえさせてきたこと──そしていま、その適切な利用の文化を取り戻すことが、これからの日本を守るためには必要であることを正しく伝えていくために、私たちは「伝統肉協会」を設立しました。

伝統肉協会は「適正な利用こそが自然と人間の共生である」というポリシーのもとで、広く皆さまに日本の現状を伝え、そして正しい知識と問題意識を持っていただきたいと考えています。

特定非営利活動法人 伝統肉協会 代表 石崎英治

団体概要

名称 特定非営利活動法人 伝統肉協会
認証 2012年8月
代表 石崎英治
連絡先 お問い合わせフォーム、もしくは、
E-Mail [info@dentoniku.jp]にてご連絡ください。